ボランティアの体験談②

子どもたちも大切なボランティア

昨年まで障がい者支援の仕事をしていた関係で「ほっとくらぶ」の活動を知り参加いたしました。

障がい者支援の現場で目指していたことは「スタッフはもちろん利用者さんもできることや得意な事を活かして輝く場所にする」ということでした。「ほっとくらぶ」で行った1泊2日の湘南旅行は、私のここ数年のモヤモヤを見事に解消してくれるものでした。今回の旅行は医療的ケアの必要な障がい児とそのご家族、ボランティアのスタッフやその家族が参加していました。

普段は障がい児と接する機会が少ない子どももいました。

ほっとくらぶの活動目的の一つに「障がいがある兄弟がいる子どもたちにのびのび遊ぶ機会を提供したい」ということがあります。旅行先ではボランティアの子どもとゲストの子どもが楽しそうに博物館を見学したり海で遊んだりしていました。大人のボランティアに囲まれての旅行であったらゲストの子どもたちはあまり楽しくないんじゃないかと思います。ボランティアの子どもたちがいてくれるからこそ今回の旅行は楽しくなりました。本人たちは気付いていないかもしれないけど、子どもたちの輝きがあってこその旅行でした。

旅行も終盤を迎えた頃、とある子どもが水族館で車椅子の子どもと一緒になって水槽を見上げて、手を取って魚を指差していました。また、砂浜で車椅子を押していたらスッと前輪を持ち上げてくれました。

子どもたちは旅行の間、自分たちも楽しんでいながら「大人たちが障がいのある子どもにどう接しているか、どんなことをしているか」を見て学んでいたのです。この学びの機会を与えてくれたのは障がいのある子どもたちです。この旅行が参加者にとって実りあるものであったのは彼らがいてこそです。

「誰かのために何かしたい」はみんなが持っているけれど、なかなかチャンスがなくて実現できていない人も多いのではないでしょうか。特別な「何か」がなくても、あなたがあなたとして一緒にいてくれるだけで「誰かの役に立てる」。それが「ほっとくらぶ」が行うキャンプや旅行であると思います。参加者のみんなが「いよいよだね! 目いっぱい楽しもう!」と言って始まり、「あ~、もう終わっちゃうのか」と言って終わる。そんな活動に参加できたことを心から嬉しく思っています。

そして、活動の輪が少しずつ広がっていくことを願ってます。